※イロモノ現パロ注意
※男なのにメイド服着てる食満がいます











潮江文次郎は感情の起伏が妙に激しい男だ。
学生時代から嫌と言うほどつかみ合いのどつき合いを興じてきた自分達ではあったが、 こうして奴の家に仕える身になってから特に思うようになった。
私生活と仕事の差、気味の悪い愛想笑いと何時も仏頂面、急にテンションが上がったかと思えばいきなり消極的になったり・・・上げればきりがないが、とにかくスイッチの切り替え頻度が半端じゃない。
奴の横暴さに慣れていない一般人には是非気をつけてもらいたい。金や出世目当てで変に関わってしまえば最後、ノイローゼに陥ることはまず避けられないだろう。

耐久力には相当な自信があった自分でさえ、使用人として使え始めた一年目から既に悲惨なものであった。
今の現状に妥協を見出してからはある程度楽になったものだが、それでも疑問に思うこと、憤怒することは耐えない。 奴との腐れ縁上、激突してしまうのはしょうがないことかもしれないが・・・・・・・自分だってもう20を過ぎた立派な大人なのだ。昔のように餓鬼臭くつっかかることは無い。
ならば何故未だに口論が耐えないのか、それは最早、奴に原因があるといっても過言ではないだろう。否、というかそれ以外考えられない。

(・・・・・だってそうだろう。)

目前の馬鹿でかい鏡で自分の姿を確認し、今日一番の大きな溜息を吐いてみせた。
大阪や東京に蔓延るという噂の楽園でしかお目にかかれない様な代物が今己の身を包み込んでいるという耐え難い事実。 何年も同じものを身に着けているとはいえ、見も心も男な自分としては何年かかったとて慣れるようなものではない。
外に出る際には流石に着替えるとはいえ、仲間内では何と言われていることやら。自分の悩みの種は誰かさんの所為で日々募るばかりだ。

カリカリ、と先程から呼吸さえも忘れて書類に熱中するその「誰かさん」を鏡越しに睨んでみるが勿論気付かされる事は無い。
スイッチをオンにさせた奴の頭の中には自分には計り知れない経済情勢が蠢いていることだろう。朝のずぼらな男は何処へ行ったのか、今の奴には上に立つ者の顔が浮かんでいた。

ついさっきまでだらしのない表情で歯を磨いていたくせに。奴の散らばった衣服やらを適当に片しながら自分は心中でぼやいた。
己の世界に入り込んだ相手には何を言っても生返事が返ってくるだけなので文句は言うだけ無駄なのだ。 そんなロスをしている暇があったら、この紙やら衣服やらが散らばった汚らしい部屋へ目を向けるべきである。というのがこの数年で学んだ己なりの仕事のやり方である。
何時もは鬱陶しい程に絡んでくる相手もこの時だけは寝入った赤子よりも大人しい。邪魔をされないこの期を逃してはならない、と自分は雑巾を手にせっせと床を拭き始めた。

しかしそれは、足へと急に入り込んできた冷気によって阻まれてしまう。
膝を折り四つん這いになっている己の服・・・・・所謂メイド服という代物だが、それのスカートを之でもかというほど盛大に捲り上げている男が後ろに一人。
こんな馬鹿な真似を試みるような相手を自分は一人しか知らない。というかこの部屋にいる人間が自分以外にいるとすれば・・・・奴しかありえない。
振り返るまでもなく犯人を悟った自分は額に青筋を走らせ後ろ蹴りを繰り出す。

それを憎たらしくもひらりと避けて見せた相手――――潮江文次郎の視線は自分ではなく、今捲ったスカート丈へと一心に向けられていた。
何しやがるこのド変態!!力の限り叫んだ大声も、今の相手にとっては右から左へと流される程度の囀りのようで。

「・・・・・・・やはり、」
「はぁッ?」
「重いな。」
「はぁッ?」

思わず同じ声色で同じ表情を二度返してしまった。
そんな自分のことなど視界にも入っていないとばかりに相手は独り言をぶつぶつとぼやきながら再び己の椅子へと戻っていったのであった。
ぽつりと一人残された自分の手持ち沙汰といったら。掃除に没頭していた自分に強烈な邪魔を仕掛けておきながら弁解も説明もなしに去るとは一体どういう了見だ。
素知らぬ顔でペンを奮う相手が自分を雇っている主だということ怒りで忘れてしまいそうになる。
わなわなと震える腕を何とか抑えようと胸の内でさして興味の無い円周率を唱え続けた。1415926535 8979323846 2643383279 ・・・・・・段々と高ぶりが静まってきたのを感じ、自分はふう、と嘆息してみせた。
そう、自分はもうあの頃の子供ではないのだからあんなキチガイの奇行を鵜呑みにしてはいけないのだ。大人の対応で軽く流すべし流すべし・・・よしだいぶ落ち着いてきた。そう自分に言い聞かして何とか理性を保つことにした。
さてと気を取り直して、もう一仕事してやるか。そう思いゴム手袋を手に嵌めようと手を伸ばしたときだった。

だん!

突然響いたその音に肩を揺らした自分は、嫌な予感を感じながらも恐る恐る音の方向へと振り返る。其処には立ち上がり、書類を手に目を輝かす文次郎がいた。

かんっぺきだ!
どこぞの一流企業の子息・・・・・立花仙蔵に感化された様な口ぶりで相手は高らかにそう叫んで見せた。
オンオフ限らず何時もは死んだような目をしているこの男の滅多に見れない覇気に自分は圧倒されていた。(正しくは全力でひいていた。)
また新しい世界征服の方法でも考えたのだろうか、そんなことを思いながら遠目で見守っていると奴はあろうことか此方へと向かってきたのだ。 その歩みがまた何の迷いも無いものだから自分は思わず後頭さってしまう。
な、なんだよ。と震える唇を何とか開こうとしたが、それは相手の言葉によって綺麗に遮られてしまった。

「従来のものは何かと駄目な点が目立っていた、が!俺は今この世界に革命を起こしたぞ留三郎!」
「は、はぁッ?何言ってんだお前!」
「素材は極めて軽いものを外注で取寄せ、加工は伊作のところにでも根回しすれば十分な出来に仕上がるに違いない!」
「だから何の話だ!!」
「新しいメイド服の話だ!!」

何を今更、とふんぞり返る相手に自分は言葉を失ってしまった。い、ま、な、ん、と?
ならもしかして先程から熱心にペンを走らせていたのは、まさか。デザイン及び総合支援は俺だと鼻を鳴らしてみせる相手からその「書類」を奪い取り、其処に描かれていたものを視界に納めた瞬間自分は硬直した。
嫌な予感が的中しすぎていっそ笑い飛ばしてやりたい。・・・・いや奴の顔を見る限り今の戯言は全て本気の域に違いない、此の侭部屋を出て今すぐにでも伊作のところへ直談判しにいくことだろう。だったらそんなもの、笑い話にもならない。

「初期のものは何かと脱がし難い上、とにかく重かったからな。 着た侭のセックスを楽に実現する為には改良の余地があったんだよ。 いやーこれですっきりしたぞ、まぁこれはお前の為でもあるしな。 少し早いクリスマスプレゼントとでも思ってくれて構わんぞ。だが、その代わり今後も精一杯俺の為に奉仕するように、努めて励め!」
「・・・・・・・・・・・・・すまん、俺は突っ込むべき点を誤っているかもしれないがこれだけは言わせてほしい。」








仕 事 し ろ !







ジラフの爪痕のキナコさん(私の大天使です)から相互記念に頂いた文次郎xメイド食満ですv
ああああああ本能に充実な文次郎格好いい…食満テラカワユス
もっと早く宝物に入れたかったけどリク完成ができなくて我慢していましたでもこれで目標達成!
いいよいいよ…萌えるよ…うほっ
一気にサイトが輝き始めた気がします。
ああああだいすきですあいしいますううううううううう←遺言